会社勤めの方ですと、秋に受けた健康診断の結果が手元にきているという方も多いのではないでしょうか。
健康診断を秋に受ける方が多いのは、暑い夏や寒い冬を避けたり、年度始まりの春ごろは忙しくて行けない…など様々な事情があるようですね。
健康診断といえば、採血やレントゲンなどさまざまな内容がありますが、今回フォーカスするのは「尿検査」です。普段から自分でもトイレの際に気を付けておくことで、健康状態悪化の前触れやサインを見つけることができます。
尿の色が濃いor薄い、匂いがあるorない、泡が立つor立たない、などでも大雑把な変調を推測できます。
血尿がでる場合は、尿路結石の前触れであることが考えられます。他にも血尿で考えられる病として、膀胱炎、前立線肥大、遊走腎などが挙げられます。
泡立ってしまう場合は、尿淡白、茶褐色はA型急性肝炎、尿が近い、或いは出にくいのは糖尿病、前立腺肥大症、急性腎不全などが考えられます。
他にも尿で分かる病はありますが、素人で判断しないでお医者さんに行って状態を伝え、検査することをお勧めします。
また、普段の生活で病を導いてしまうこともあります。
例えば、忙しかったり、近くにトイレがないため尿を我慢してしまう、水分の摂取が足りないなどで病気を引き起こしてしまう例です。特に女性で多いのが膀胱炎です。
生理現象を我慢するということは、それだけ体に負荷をかけることになります。例えば、便秘が便意を催したタイミングでトイレに行かないことを繰り返していくうちに便秘症になってしまうのと同じように、尿も同じように排泄のタイミングを逃すと体調を崩す原因となります。汗をかきたくない時は水分摂取を控えることもありますが、喉の渇きを感じたときには既に脱水状態が始まっています。脱水状態になると体の機能が正常に行われにくくなるため、不調を感じるようになります。
そのため、便意や尿意を催したときはなるべく早いうちにお手洗いに行き、水分補給を行い、喉が渇いてしまうまで我慢をしないことを目標にしましょう。
また、膀胱や前立腺など泌尿器系の臓器に原因があって起こる頻尿と、特に原因もなく起こる頻尿がありますが、頻尿の目安としては昼間で4~5回、夜間は0~2回程度で一日平均1000~2000ccの尿量であれば特に問題はありません。ただ、加齢とともに腎臓の尿を濃くする力が低下するため尿の回数、特に夜間の回数が増えてきます。老人の場合は、夜間に1~2回尿意を催しても異常ではありません。昼間に8回以上、夜間睡眠時に3回以上、或いは一日あたり8回~10回以上尿意を催してしまうようならば頻尿に匹敵する可能性が大きいです。頻尿の前触れとして排尿時の痛みや不快感、残尿感などが挙げられます。尿の回数だけではなく一回の尿量が増える多尿になると尿崩症や糖尿病、慢性腎不全などが疑われます。また、神経性頻尿では緊張すると尿意を催し、過度に気にすると膀胱に少し溜まっただけでも尿意を感じるようになってしまい、精神的ストレスや緊張のために頻繁にお手洗いに行きたくなったことをきっかけに起こってしまうことがあります。
このような状態変化に気づいたら、まずはお近くの病院で相談してみましょう。
「ちょっとしたことだから大丈夫」だと思ってそのまま過ごしていると、いつか大きな病気になってしまうかもしれません。普段から気を付けておきましょう。