最近は、トイレにスリッパを置かないお宅が増えて来ました。
日本の住環境が変化するのにつれ、トイレのスリッパにも変化が生じているようです。
トイレにスリッパを置かない理由として、さまざまな要因があげられます。
まず、トイレマットを敷くので床が汚れにくい、男性も座って用を足すので尿が飛び散らない、など清潔を保てる状況のおかげでスリッパを使う必要性がなくなっています。最近の新築住宅では、トイレの床もフローリングの続きあるいは一部という感覚も多く、まめに床拭き掃除をし、トイレマットも洗濯していれば、スリッパを使うよりも清潔と考える方も増えているのです。
また、皆が同じものを履く事に抵抗を感じてスリッパを使わないという方もいます。スリッパは中まで拭いたり、洗ったりということがなかなかできませんので、皆が同じものを履いているほうが不潔と感じるのです。
それから、トイレの面積は一般家庭においてはそれほど広いわけでもないので、便器までほんの数歩程度でスリッパは必要ないとするお宅もあります。足の悪い方や車椅子の方が利用する場合、スリッパが置いてあるとかえって邪魔になり、転倒などのケガの原因になることもあります。
履く行為そのものが面倒くさいから要らないというケースもありますし、小さなお子様がいる家庭ではいたずらされたり、おむつバケツなどですでにトイレが手狭なので置かないということもありますね。
一方、トイレにスリッパを置くお宅は、床材がタイル等の素材で冷たかったり、トイレには専用の履物が必要と考えている方も数多くいらっしゃいます。
素足でトイレに入ったあと、そのままの足で家中を歩くのに抵抗を感じる人も少なくありません。尿などが飛び散った床に直接足裏が当たることが不潔と感じる気持ちも理解出来ます。
子供のしつけのことを考えてスリッパを置いているご家庭もあります。学校など公共の場に行けば、お手洗いに専用のスリッパが置かれていますが、そのスリッパを脱いだときに自然と出船の形に揃えられるように、と日頃からしつけをされているのですね。確かに、スリッパが綺麗に揃っていると次に使う方も気持ちがいいものです。
また、マットが濡れてしまった場合、スリッパがあるほうが衛生的にいいという考えから、マットに加えてスリッパを置く、というご家庭もあります。
普段は使用していないけれど、来客時に備えてスリッパを用意している、という方もいらっしゃいます。
このように、各ご家庭で様々な意見や考え方があり、またトイレの広さや床材等でスリッパを置いたほうがよかったり、置かないほうが便利だったり、と状況が変わってきますね。どちらがいいかは一概に言えませんが、いずれにしてもトイレを使用する際に足元が清潔に保てることがポイントですね。