冬場は冷え込み、夏場は熱気がこもるトイレ。
暖房設備の充実で冬場のトイレはだいぶ快適になりましたが、夏場はまだ蒸し風呂同然となってしまうお宅も多いのではないでしょうか。
夏になると熱中症の注意喚起を多く耳にしますが、トイレも熱中症を起こす恐れがある場所として報告されています。
居室や風呂場・キッチンは窓を開けて空気を通す、エアコンを利かせて気温を下げるなど対策があるものですが、トイレに関してはそれがありません。
窓と換気扇の両方があれば空気を流すこともできますが、トイレの位置関係で換気扇しか取り付けられていないお宅も多くあり、換気扇だけではこもった熱を外に逃がす効果は低いとされています。
窓があればある程度は熱気や湿気を外に飛ばすことができますが、換気扇は空気そのものよりもニオイ対策として設置されているため、あまり期待できないのは前述した通りです。
夏真っ盛りの時期ともなるとトイレ室内は30℃を越える室温になり湿度も70%近くになります。
これは熱中症の危険度を示す基準値を超えるため、このことからも夏場のトイレを締めきったままで使用することは大変危険であることがうかがえます。
こうした人体に及ぼす危険度を低減させる最も手っ取り早い対策が、トイレの扉を開放しておくことです。
窓があれば在宅中は使用時間以外、極力開けておくようにします。外気を取り入れることで気温や湿度の上昇を抑えることが可能です。
また、防臭・換気機能に一役買ってくれるため、換気扇もつけておくようにしましょう。
いくらトイレを換気していても使用する際は閉めるものです。
夏場の締め切ったトイレは十数分で室温30℃に達するとされているため、人によっては滞在する時間も
長いことを考えると、換気以外にも何か対策がほしいところです。
主なものとして、以下のようなものが挙げられます。
1. 扇子、団扇
最も手軽な冷却アイテムと言えばこれでしょう。
体に風を当てることで気化熱による冷却が起こり体感温度を下げてくれます。
2. 小型扇風機
持ち運びできるような小型の扇風機です。
現在は様々なタイプが各メーカーから販売されており、中には乾電池で動作するものもあるため、1台あれば場所を選ばず送風することができます。
ほかにも冷風扇のようなもので、水の冷却効果を使って室温を下げる空調設備もありますが、水を使うため湿気が気になる方も多いようです。
使用する場合はコンセントの有無や室内スペースに余裕があるかなどを判断した上で置かれるとよいでしょう。
「水分補給」―熱中症から身を守るためにはなんと行ってもこれが欠かせません。
普段から意識的に水分を摂取している方はいいのですが、そうでない方はトイレの前後にコップ一杯の水を飲むようにしましょう。
これだけで脱水症など熱中症のリスクを下げることができます。