井戸ポンプは、長い間使用していると「水量が減る」「水が出ない」などいろいろな障害を起こします。ポンプは外界と完全に遮断されたところで使用される機械であり、そういった障害の予兆に気づきづらい側面を持ちます。
さらに、その井戸で水を飲んで体調を崩す事件も多く発生しているため、井戸ポンプの定期的なメンテナンスは必須という意識を持つべきでしょう。
例えば、「水量が減った」といった障害は、長年の使用により地下水に含まれた微小な不純物がくみ上げるパイプに付着する事で発生している可能性が高く、その場合パイプの洗浄、もしくは交換によりすぐに解消されます。
しかし、やはり一番避けたいのは、その機械が経年劣化などにより壊れてしまう事よりは、その井戸から汲み出された水を飲んだ人の健康に害を及ぼすという事ではないでしょうか。
岡山で起きた介護老人ホームのレジオネラ菌集団感染事件など、ニュースなどで耳にすることはありますか?そのインパクトは大きく、レジオネラ菌を摂取すると高熱、肺炎に似た激しい咳が止まらなくなり、命を落とす事もあります。
これらの井戸に潜みかねない細菌や微生物には、レジオネラ菌の他、0-157などの大腸菌、クリプトスポリジウムという寄生虫、ボツリヌス菌などがあり、いずれも重大な健康被害を起こす恐れのあるものです。
これらは本来井戸内で自然発生する事はなく、外部からの空気によって飛来したり、土壌汚染による地下水の汚濁から混入し、バイオフィルム(菌膜)と呼ばれる垢のようなコロニーを生成します。目に見えない微小な細菌・微生物であるため、視認によって混入を見破る事はできません。
井戸をお持ちの際は、年一回の水道局による水質検査は勿論の事、古い井戸であれば設備の交換や、専用の消毒装置を設け、なるべく短い間隔でのメンテナンスを行っていただくようお願いします。