おはようございます。WEB担当の久保田です。
本日のニュースです。
【文化】
「平安貴族の邸宅跡を初特定 藤原良相邸、優雅な庭園も」
平安京があった京都市中京区で、平安時代前期(9世紀後半)の貴族の邸宅跡が見つかったと、市埋蔵文化財研究所が8日発表した。出土した墨書土器や当時の絵図などから、右大臣・藤原良相(ふじわらの・よしみ)=813~867=の邸宅と断定した。特定の平安貴族の居住地を発掘調査で確認できたのは今回が初めて。
佛教大キャンパス予定地の約2500平方メートルを調査したところ、平安前期の建物跡と庭池の遺構が確認された。池は南北24メートル、東西18メートルの長方形。中央に直径6メートルの島があり、南岸とを結ぶ土橋(長さ8メートル、幅1.5メートル)も築かれていた。
池の周囲からは、貴族らが小川のそばで詩歌を詠む「曲水の宴」を開いたとみられるS字形の石敷きが出土。池の西端には礎石と柱を据えた縁側の跡があり、そばから「三条院釣殿高坏(さんじょういんつりどのたかつき)」と墨書された土器や、中国・唐で作られた多数の高級陶磁器が見つかった。
【ライフ】
「遺伝子組み換えパパイア、輸入可能に 「日本でハワイの味」に様子見も」
日本では輸入ができなかったハワイ産の遺伝子組み換え(GM)パパイアが、12月から輸入可能になった。生で食べるGM食品が日本の市場に現れるのは初めて。ただ、輸入可能になったとはいえ、スーパーやデパートの多くは「当分は扱わない」。「ハワイで食べたパパイアを日本でも食べたい」と期待する消費者もいると思うが、近所のスーパーで買えるようになるにはまだ時間がかかりそうだ。
ハワイのパパイアの約8割を占めるGMパパイアは、リングスポット病という、果実に黒い斑点を作るウイルスによる病気の感染を防ぐ遺伝子を持たせた。1997年に米国の食品医薬品局(FDA)や農務省動植物検疫局などで「食べても安全」と判定され、99年からハワイはもちろん米国本土で、また2003年からはカナダでも一般的に流通している。ハワイを訪れる日本人観光客は年間100万人いるが、こうした人たちがハワイで食べているのは、ほとんどがGMパパイアと言っていい。
GM食品はJAS(日本農林規格)法と食品衛生法で表示が義務付けられており、GMパパイアは一つ一つに「組み換え」と分かるシールが貼られ、販売されることになる。表示は加工食品や缶詰で販売するときも必要だが、レストランなど外食メニューは対象外だ。
【科学】
「ナポレオンフィッシュの稚魚飼育に成功」
ナポレオンフィッシュの別名で知られる「メガネモチノウオ」を卵から稚魚の段階まで人工的に育てる技術の確立に、水産総合研究センターと長崎大の共同研究チームが世界で初めて成功した。数年かけて成魚まで育てた後、完全養殖を目指す。
メガネモチノウオは全長2メートルにも達する大型魚。成長すると頭のこぶが大きくなり、ナポレオンがかぶる帽子のように見える。沖縄県などの南西諸島やアジア、オセアニアの熱帯・亜熱帯の海に生息。近年は中華料理などの高級食材として乱獲され減少しており、ワシントン条約で国際取引が規制されている。
研究チームは資源の確保と安定供給に向け平成12年、南西諸島で捕獲した成魚を使って養殖技術の開発に着手。20年に初めて採卵に成功し、その後、1回の受精で大量に孵化(ふか)させる技術を開発した。
卵から稚魚まで人工的に育てた例は過去にインドネシアで1回あるが、研究チームは今回の手法で複数回成功したことから、養殖技術としての有効性が初めて示されたとしている。