こんにちは。コールセンター片倉です。これまでトイレの豆知識についてずっと書いてきましたが、今回から少し趣向を変えてポンプについて書いていきたいと思います。今日のテーマは「井戸ポンプ、見たことありますか?」です。それでは今回もどうぞよろしくお願い致します。
【 井戸ポンプの基礎知識 】
「井戸」と聞いてどんなものを思い浮かべますか? 多くの方が思い浮かべるのが、旧い建物内に残っているような、丸い円筒状の石垣やコンクリートで固められたものだと思います。 あるいは時代劇のドラマ等で放映されているような、ロープの先に桶を結びつけたものを使って、滑車で水を汲み上げていくような場面を想像されることでしょう。しかし、実は意外に身近な場所に、今でも井戸は残っていることが多いのです。
上の写真のような濃い緑色に塗られた金属製の筒に長い取手が取り付けられた外観のポンプを街の片隅にあるのをご覧になったことはないでしょうか。昔はあちこちで見かけられていたようですが、今では数が少なくなってきており見つけるのがだいぶ困難になってきています。それでもふとした時に目にすることもあることでしょう。 その中の多くは、今となっては使われている様子もなく、なんでこんなものがここにあるのだろう、と不思議に思うかもしれません。
これらの井戸ポンプは、上水道が普及したことで使用されなくなり、農事用以外ではあまり見かけなくなりました。しかし、少し前のことになりますが、阪神・淡路大震災の際、災害時の生活用水・雑用水の確保にこれらの井戸は大いに役立ったのです。そこから見直されるようになり、現在では、各自治体によって災害手押しポンプ井戸登録も行われるようになってきています。
また、公園や公共施設にも設置が行われるようにもなってきています。その基本的な仕組はハンドル操作によるピストン内部にできる真空と大気圧によって水を汲み上げる仕組みで、これを応用したのが井戸のポンプです。今後数回にわたって、井戸ポンプの構造や働き、メンテナンス法などをご紹介します。