おはようございます。内勤事務担当の滝沢です。
本日のニュースです。
【スポーツ】
「悲運の女王 小原選手初の夢舞台で金!」
ロンドン五輪第13日目(8日)遅咲きでも、大輪の花! 世界選手権を2連覇し31歳で初出場となった女子48キロ級の小原(おばら)日登美選手(自衛隊)が決勝でマリヤ・スタドニク選手(アゼルバイジャン)を逆転の2-1で破り、悲願の金メダルを獲得しました。
準決勝では北京五輪覇者キャロル・ハイン選手(カナダ)を下し、日本女子レスリングの先陣を切って頂点へ。過去の五輪では、全4階級で表彰台を逃したことがない「お家芸」。最高のスタートを切りました。
遠回りしたぶん、味わいを実感できる。31歳で初の夢舞台に立った小原が底力をみせつけ、一気に表彰台の真ん中に駆け上がった。躍動する歓喜のポーズが輝きを放つ。
「優勝することが目標」と言い切り、頂点に照準を合わせて今大会のマットに立った。初戦からの2試合はタックルやアンクルホールド2回転の大技で制した。前回覇者ハインとの準決勝。第1ピリオドはタックルで押し出し、第2ピリオドではいなしてバックを取って2-0で勝利した。
これまでは大技がなく、状況に応じて1ポイントをコツコツ重ねるレスリングだった。だが、それだけでは頂点への道は険しいと感じ、今年からタックルへの入り方に磨きをかけてきた。
世界選手権で頂点に8度も立ちながら、五輪には縁がなかった。小原選手には、ロンドン行きの切符を手にするまで2度もマットを離れた過去がある。
旧姓は坂本選手。かつては51キロ級で戦っていた。中京女大(現至学館大)に進学したころから頭角を現し、1999年の全日本選手権で初優勝すると、世界選手権では初出場の2000年から同級で計6度優勝。だが、04年のアテネ五輪で女子が正式種目に採用されると、同級は実施階級にならなかった。
アテネ五輪前、苦渋の決断を迫られる。妹・真喜子さんのいる48キロ級に階級を下げるか、女王吉田沙保里選手(ALSOK)が君臨する55キロ級に挑むのか-。結局、吉田選手に挑んだが、完敗して引退。再びマットに戻ったものの、北京五輪の際も無敵ロードを突っ走る吉田にはね返されて2度目の引退を決め、全日本のコーチに就いた。
だが、「悲運の女王」は終わらない。五輪出場を果たせず引退した真喜子さんに五輪の夢を託され、48キロ級で現役復帰したのは10年。「どんなときも(妹と)一緒に戦っている」。新たな階級で10、11年の世界選手権を連覇した。
一昨年10月に結婚した康司さんがもっとも身近な場所から後押しした。青森・八戸工大一高のレスリング部で1年後輩。6月下旬の新潟・十日町市での女子代表合宿にも康司さんの姿があった。毎日スパーリングをビデオで撮影し、姿勢や構えで修正点があればアドバイスする。その日にできなかったことを一緒に話し合う。小原は「それができると不安はなくなる。夫がいて心強い」。
金メダルは姉妹の、そして夫との悲願だった。集大成として位置づけた今大会。2度もあきらめた夢舞台のマットを、精いっぱい満喫した。
【スポーツ】
「なでしこ佐々木監督「僕自身の最終章」金メダルで有終の美を誓う」
ロンドン五輪で史上初の決勝進出を果たした日本女子代表(なでしこジャパン)が決勝を翌日に控えた8日、ロンドン市内のオリンピックパークで公式記者会見を行った。佐々木則夫監督、MF宮間あや選手、FW大儀見優季選手(旧姓・永里)、GK福元美穂選手が出席。
佐々木監督は「選手の勝とうという思いがピッチで表現できれば、いい結果になると信じている」と、金メダルへの決意を語った。
昨年の女子W杯に続く史上初の“連覇”を懸けた決勝の相手は、女子W杯決勝の再現となるアメリカ。当時は延長戦、さらにはPK戦へともつれ込んだ死闘を制し、なでしこが世界一に輝いた。当然、雪辱に燃えるアメリカに対し、それ以上の気持ちで臨めるか。指揮官は「石にかじりついてでも、またチャンピオンを目指す気持ちで戦ってくれると思う」と力説した。
海外メディアから「明日の結果が金メダルではなく、銀メダルだったら残念か?」と聞かれると、「日本語で書くと、金より良いと書いて『銀』。それがなでしこの次につながることもあるのかなと思う」と冗談交じりに答えたが、「金メダルを目指してやってきたし、限りなく金メダルを目指す。それに尽きる」と、頂点だけを見据えている。
06年1月からなでしこジャパンのコーチを務め、07年12月、大橋浩司前監督の退任を受け、監督に就任した。「コーチとして2シーズン、監督というきっかけをもらって5シーズン目。選手たちの成長度の高い時期に監督をやれたことは幸せだと思っている」。あくまで選手への感謝の気持ちを表現する指揮官は「明日のピッチで、僕自身の最終章としての成果がどれだけ出せるか」と指摘。大会後の退任も示唆する発言で、有終の美を誓った。
選手たちもその思いに応えないはずがない。福元が「今このように試合に出れているのは佐々木監督の指導があったから」と言えば、大儀見も「自分自身を成長、進化させてくれる存在」と感謝する。宮間は「いろんなことがあったし、いろんなところを一緒にくぐり抜けてきた。今、振り返って思うのは、監督に付いてきてよかったと、心から思えることです」と言った。選手と監督の間の信頼関係、強い絆。なでしこジャパンが一つとなり、金メダルを懸けた“ラストマッチ”に挑む。
【スポーツ】
「陸上 ボルト2冠へ余裕「公園を散歩しているようなもの」」
ロンドン五輪第13日目、決勝へのステップといえども、世界記録保持者が本気を出すにはまだ早すぎる。「できるだけ楽に通過することがすべてだ」。男子200メートル準決勝。ボルトは直線を向くとほどなく減速し、残り80メートルを余裕しゃくしゃくに走りきった。
自己記録より約1秒遅い、20秒18で走ったボルトだけではない。100メートル銀のブレーク、ジャマイカ選手権3位のウィアーも軒並み力を温存した。19秒台は一人もいなかった。
全体トップの20秒01で走ったブレークは「公園を散歩しているようなもんだった」と、ボルトに負けず劣らず、「本気」を見せていない。
「生ける伝説になる」と宣言するボルトにとって、200メートルでの連覇は不可欠。「パーティーを台無しにしかねない奴らだ」と決勝で警戒を払うのは、同僚のブレーク(ジャマイカ)や昨年の世界選手権3位のルメートル(フランス)、世界選手権で3大会連続メダリストになったスピアモン(米国)らだ。
「ここのトラックは高速だ。いいレースになるだろう」と記録への野心ものぞかせるボルトが19秒19の世界記録を塗り替えるためには、冷や汗をかかせるライバルの存在も欠かせない。